リモート留学に必要な英語力。修了証は英語が苦手でもOK。学位はレベルに合わせて対策を。

英語力がなくてもスクリプト(台本)を翻訳して学習できる。日本語字幕対応のコースも増加中。学習と同時に英語力をアップ。

ここでは、オンラインでの学習に必要な英語力をチェックします。修了証コースは英語力不要、学位コースは英語のテスト(TOEFLなど)で何点以上、といったスコア要件があります。詳しくみていきましょう!

リモートでの学習に必要な英語力は受講するコースによりますが、修了証・学位どちらのコースも通学するよりも圧倒的に簡単に学習できます。オンラインで学習する場合は動画(英語字幕or日本語字幕)での学習が中心で、対面でのコミュニケーションが必要なく、DeepLや等の翻訳サイトやChatGPTなどのAIも併用できます。そのため、英語に苦手意識がある人でも学習できます。むしろ、学習しながら英語力も身につくので一石二鳥です。日本語字幕に対応しているコースも増えてきています。

修了証を目指す場合

修了証を取得する場合、ほとんどのコースは出願不要でいきなり受講開始できます。そのため、英語試験のスコア提出など不要です。翻訳サイトや日本語字幕をつかって学習できるので、英語が苦手な人でも学習を進めることができます。

目安としてCEFR A1レベル(下記の表のレベル1)があれば十分に学習可能です。英語のスコアを持っていない人も気にする必要はありません。自分の興味あるテーマを学習することで、英単語・読解力・ヒヤリング力などが身につき同時に英語学習もできてしまいます。

学位取得を目指す場合

大学の学士、大学院の修士など学位の取得を目指す場合、英語試験のスコアを求められることが多いです。それでも、通学制コースに比べてオンラインコースのスコア要件はやさしめに設定されています。

例えば、ハーバード大学ビジネススクールなどの超一流校は、現地での通学の場合はTOEFL(トフル)115点、IELTS(アイエルツ)8.0点などの超ハイスコアを求められますが、オンラインで卒業できるハーバード大学エクステンションスクールの場合はTOEFL100点、IELTS7.0で大丈夫だったりします。

TOEFLIELTS
ハーバード大学ビジネススクール(通学)1158.0
ハーバード大学エクステンションスクール(通信)1007.0
通学コースとオンラインコースの英語レベルの違い

学位を目指す人で英語に自信のない人は、英語学習を兼ねて短期間の修了証コースでの学習がおすすめです。目標にするスコアに届くまで、英語学習しながらオンラインでの学習にも慣れておくことで入学後の学習が楽になります。

英語学習にかけられる時間は人によって異なるので、学習を続けながら出願する大学を決めていきます。例えばイギリスで有名なロンドン大学クィーンメアリ-校は中級レベルのTOEFL80、IELTS6.0で入学可能です。自分の学習したい分野が学べるなら、長期間かけて名門校を目指さずに時間を有効活用する選択肢もあります。

英語試験のスコア換算表

私がこれまでに調べた情報とこれまでの経験をもとに整理した、リモート留学ナビ独自の英語の各試験のスコア換算表です。試験にはいくつか種類がありますので、外国語学習のグローバル標準指標のCEFR(セファール)を基準にしています。

「語学レベル」はこのサイトの独自指標です。オンラインコース検索でこのレベル別にコースを検索できます。

語学
レベル
CEFRTOEFLIELTSDuolingoTOEIC英検大学
レベル
C21209.0160
Lv.5C11158.01409901級超難関
Lv.41107.5130950
Lv.31007.0120900難関
Lv.2B2906.5110860
806.0800準1級標準
Lv.1B1655.080730
A2454.0606002級
英語試験スコア換算表

英語試験の種類

英語の試験にはさまざまな種類がありますが、海外大学の学位に出願する場合はTOEFL(トフル)かIELTS(アイエルツ)のスコアを求められることが多いです。どちらかをベースに勉強を進めつつ、入学したい学位の申込要件をチェックして行きましょう。はじめから行きたい大学・コースが決まっている場合はその大学が採用している試験に絞って勉強すればOKです。

日本で有名なTOEIC(トイック)は海外では採用されていないことが多いため、スコアを持っていてもあまり役に立ちません。しかし、TOEFLとIELTSはどちらも受験料が高額(3万円前後)で、気軽に何度も受けるのは難しいため、はじめはTOEICを勉強して英語の基礎を学ぶのは良いです。TOEIC800点に到達するまでは、まずはTOEICの勉強から始めても問題ありません。

TOEFLとIELTSを勉強する場合、まずは腕試しで一度受験してみましょう。現在の自分のスコアを確認して勉強の計画を立て、出願スケジュールに間に合うように計画的に受験してスコアメイクするようにしてください。

また、TOEFLとIELTSに替わる試験として、最近はDuolingo(デュオリンゴ)もお勧めです。英語学習アプリの会社が提供している英語テストで、オンラインでいつでも受験でき、60分と試験時間も短く、受験料も他の試験と比べて安い(約7,000円)です。イェール大学、コロンビア大学などDuolingoスコアで申し込める大学が増えて来ているので、行きたい大学がDuolingoスコアを採用している場合はぜひDuolingoの受験を考えてみてください。

試験出願に使えるか受験料試験
時間
ListningReadingWritingSpeaking
TOEFL34,000円
($245)
3時間ありありありあり
IELTS25,380円3時間ありありありあり
Duolingo6,600円
($49)
1時間ありありありあり
TOEIC×7,810円2時間ありあり

英語が不安なときはどうすれば?オススメの英語学習法

リモート留学に興味はあるけど英語は苦手だな…という時にオススメの学習方法を解説。英語の学習方法は世の中にあふれており、海外留学むけの対策講座などもありますがリモート留学に必要なポイントを絞って対策することで、普通に留学するよりも短期間で効率良く卒業にたどり着くことができます。

レベル0.英語学習は中学・高校まで、またはTOEICなどの英語試験を受験した事がない

英語は中学・高校で勉強したくらい、あとは大学で英語の単位をとった、など今まで自分で意識して英語を学習して来なかった時は、まずは中学レベルの英語を学べる書籍を買い、基本的な単語や英文法を学習しましょう。

目安としては30-60時間くらい(1日1時間勉強した場合、1-2ヶ月)のボリューム感です。1つの単語や1つの章をしっかり学習して次に進むのではなく、流し読みレベルで良いので10時間位で全体を把握、それを3-6周しましょう。通勤や家事などをやりながらの「ながら学習」もオススメです。

中学レベルが何となく分かってきたら(100%は目指さず、6-8割くらい出来たなと思ったら)高校レベルに進みましょう。中学レベルと同じくらいの時間で高校レベルの学習もざっと行います。

英語力はL:リスニング(聞く)、R:リーディング(読む)、S:スピーキング(話す)、W:ライティング(書く)の4つで構成されていますが、まずはR:リーティング(読む)を第一に意識しましょう。そして、リーティング力のアップに効率が良いのは英単語と英文法の学習です。

※この段階ではリーティング以外の勉強は効率が悪いので、スピーキング力を伸ばす英会話や、洋画・洋楽などでのヒヤリング、英語日記などのライティングはオススメしません。基本的な単語や英文法が分かっていない状態でこれらの学習をしてもほぼ無駄に終わります。

また、学習をはじめたら、一度、自分のレベルを知るために英語の試験を受けてみましょう。はじめはTOEIC Listening&Reading Test(トーイック リスニング&リーディングテスト)がオススメです。試験はL:リスニング(聞く)、R:リーディング(読む)だけで構成されていて、他のテストよりも受験費用が安い7,810円、マークシートの4択なので回答が楽、日本では知名度も高いので腕試しに丁度良いです。オンラインで1-2ヶ月の先のテストを予約し、当日は試験会場で受験します。

レベル1.英語を大学で専攻していた、またはTOEIC730、TOEFL65、IELTS5.0まで

基本的な英語力をすでに持っている状態です。学位(学士・修士)への出願にはもう少し学習が必要ですが、修了証コースであれば翻訳ツールを使用しながら内容を理解して学習できるレベルです。

学位を目指す場合、出願にはTOEFLやIELTSのスコアが必要になりますので、まだ受験した事がない場合は試験に慣れるため、一度、受験してみることをお勧めします。しかし、これらの試験は費用が3万円前後と高額で、またTOEICと違いS:スピーキング、W:ライティングもあり対策範囲が広いため、予算が潤沢な場合を除き、頻繁な受験はお勧めしません。

S:スピーキング、W:ライティングのスキルはL:リスニング、R:リーディングがベースになっており、TOEIC800点を超えるまではS:スピーキング、W:ライティングの学習は非効率なので最低限にとどめ、まずはL:リスニング、R:リーディングの学習に集中しましょう。

また、このレベルは学習の範囲が広く、人によって得意な領域や習得ペースが異なるため、挫折しやすい時期でもあります。日々がんばって学習していても、学校や仕事、家庭の用事などで学習のペースが乱されたり、疲れていたりして計画通りに進まないこともあるでしょう。そんな時は気にせず、勉強できなかった日のことは忘れて、気を取り直して学習すれば大丈夫です。

大事なのは予定通り進めることではなく、やめないことです。しばらく学習できない日が続いたとしても、ふと英語のことを思い出したらまた始めましょう。

英語の教材はたくさんあるので自分に合ったものを探しましょう。私はいろいろな本・アプリを使いました。それぞれ1つ紹介すると、本だとDuo、アプリはリクルートがやっているスタディサプリが良かったです。TOEICを受験した事がない人や800点位までの方にオススメです。私は3ヶ月くらいで一通りやって退会したので費用も1万円以内ですみました。PR。

レベル2〜.TOEIC800、TOEEFL80、IELTS6.0以上

このレベルになると入学資格を満たす学位もでてきます。自分の学びたい大学・コースを探し、スコアメイクにかけられる学習時間や準備期間を考慮して目指すゴールを決めましょう。また、履歴書に書くだけで英語力のアピールにもなり、キャリアップが現実的になってきます。

学習のポイントしては、ずばり「自分の強みを伸ばし、弱みを補強する」ことです。ここまで勉強を続けてこれた事で、単語はだいたい分かる、でもリーディングが遅い、文法も苦手、など自分の強み・弱みが分かっていると思います。効率よくスコアを伸ばせそうなポイントに注力しましょう。

通信制のオンラインコースのときに意識したい点が1つ。ほとんどのコースは動画視聴とテキストによるリスニング・リーディング中心の独習になります。課題提出の時にライティングはありますが、スピーキングは一部のライブカンファレンス等でない限り使う機会がないことが多いです。このことから、オンラインコースを最短で卒業するための戦略はリスニング・リーディングに特化し、その次にライティング。スピーキングは優先度を下げることです。

リスニング・リーティングができれば授業の内容が理解できない、といった困り事がなくなります。課題やテストの際にライティング能力は必要になりますがその場で即答をもとめられるケースは少なく、1週間後などの締切までに提出すればOKです。辞書で調べたり翻訳ツール・文法チェックツール・ChatGPTなどを駆使して作文すれば良いため優先度は低くなります。もちろん、ライティングもスピーキングも全てできるに越したことはないのですが、学習時間は有限なので優先順位をつけてメリハリのある学習をしましょう。

ちなみに、オンラインコースを卒業したあと、外資系などの英語を使う職場で働く場合、重要になる英語力の優先順位も同じです。リスニング・リーティング、ライティング、スピーキングの順です。

企業は英語ができることそれ自体も評価。日本企業と外資企業の違い。

■日本企業の場合

就職・転職応募者の英語力はTOEICで評価されることが多く、その基準は以下の通りです。TOEIC受験者のうち800点で上位20%、900点で上位5%くらいなので、海外大学で学んだ人は学位・修了証だけでなくそのベースとなる英語力も評価されます。

反対に、日本企業ではTOEFL, IELTS, Duolingoの知名度は低く、スコアを持っていても評価されないことが多いです。日本企業を受ける場合はTOEIC試験も受けておきましょう。

  • TOEIC600点:企業が新卒社員に求めるレベル
  • TOEIC800点:一部の上場企業が社員に求めるレベル、海外駐在の候補者。
  • TOEIC900点:外資系企業で英語を日常的に使う部門で求められるレベル

■外資企業の場合

外資の場合は企業・ポジションにより、画一的な基準はありません。本国とのやりとりが頻繁に発生するポジションの場合はネイティブレベル(流暢/fluent)またはビジネスレベルが求められるケースが多く、日本人とのやりとりや書類管理が中心のポジションは日常会話レベルでも可のケースもあります。

しかし、履歴書や職務経歴書(レジュメ)に英語テストのスコアが記載できると自分の英語力を客観的に示すことができるので有利です。外資企業の場合はTOEFL、IELTSのスコアを記載しましょう。必要なスコアはポジションによりますが、一般的な海外大学の進学要件となるLv.1(TOEFL90、IELTS6.5)があれば、英語を使って業務ができることの証明になりますので選考を追加しやすいでしょう。

学びたいコースを探して必要な英語力をチェック

もし、今はまだ英語が苦手でも、オンラインコース検索で大学・大学院を探してみましょう。自分に合ったコースが見つかったら、必要な英語力を目標にして英語学習して行けばOKです。

また、「学位(学士、修士など)」の取得には英語のテスト結果を提出して入学手続きが必要になりますが、短期間で取得できる「修了証」は英語テストの提出は不要です。申し込んだらすぐに学習を開始できるので、まずは「修了証」コースを学んでみるのもお勧めです。コースの選び方はこちらを参考にして下さい。

学位の取得を目指す場合、英語以外にも成績や推薦状などの要件が出てきます。こちらをチェック!

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